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-高校入試スタディスタイル-

高校入試数学7

正しく表示されない場合には、再読み込みをしてみてください。

2021年千葉県 2-(4)
解答

$\frac{5}{36}$

解説・解き方の例

別の問題でも紹介しましたが、とにかくこういった問題は表を書いてみるのがわかりやすい。 この方法は次のように入学試験向きだと思います。

  • 表を書くと頭を整理できるので、入学試験などで緊張している場所でも落ち着いてできる。
  • 数え落とし、間違いが起こりにくい。起こってもすぐに気が付きやすい。
  • 表が残っていると、後で見直しをしやすい。

では、表を書いてみます。ここでは、表の作り方を紹介します。

基本の表

まず、さいころの問題では下の表のように6x6の表が基本です。

大きいさいころ
$a$→ 1 2 3 4 5 6






$b$
1
2
3
4
5
6

分母分子の値を入れる欄をいれたもの

この問題では$\frac{a+1}{2b}$の確率を求める必要があります。

したがって、$a+1$と$2b$を書き込む欄を縦横にそれぞれ作ります。

そして、実際に値を書き込みます。

大きいさいころ
$a$→ 1 2 3 4 5 6
$a+1$→ 2 3 4 5 6 7






$b$
$2b$
1 2
2 4
3 6
4 8
5 10
6 12

値を書き込む

ここで、実際の$\frac{a+1}{2b}$の値を書き込むのですが、 正直にすべて計算する必要はありません。 「整数」という条件に絶対当てはまらないとわかるところには バツ(×)などを書き込んでしまってOKです。

たとえば、下の場合のように、$\frac{a+1}{2b}$の分母が偶数なので、分子が奇数のものは整数になりようがないので、まず、$a+1=3,5,7$の欄にすべて×を書きます。

大きいさいころ
$a$→ 1 2 3 4 5 6
$a+1$→ 2 3 4 5 6 7






$b$
$2b$
1 2 × × ×
2 4 × × ×
3 6 × × ×
4 8 × × ×
5 10 × × ×
6 12 × × ×

次に、分母$2b$が分子$a+1$よりも大きくなると整数にならないので、これも×をつけていきます。

大きいさいころ
$a$→ 1 2 3 4 5 6
$a+1$→ 2 3 4 5 6 7






$b$
$2b$
1 2 × × ×
2 4 × × × ×
3 6 × × × × ×
4 8 × × × × × ×
5 10 × × × × × ×
6 12 × × × × × ×

これだけマスを減らした後、最後に$\frac{a+1}{2b}$の値を書き込みます。 整数にならなければ×で構いません。

大きいさいころ
$a$→ 1 2 3 4 5 6
$a+1$→ 2 3 4 5 6 7






$b$
$2b$
1 2 1 × 2 × 3 ×
2 4 × × 1 × × ×
3 6 × × × × 1 ×
4 8 × × × × × ×
5 10 × × × × × ×
6 12 × × × × × ×

最終的な表

最終的には次のような表ができあがりました。

大きいさいころ
$a$→ 1 2 3 4 5 6
$a+1$→ 2 3 4 5 6 7






$b$
$2b$
1 2 1 × 2 × 3 ×
2 4 × × 1 × × ×
3 6 × × × × 1 ×
4 8 × × × × × ×
5 10 × × × × × ×
6 12 × × × × × ×

これで一目了然。赤いマスの数は5なので、確率は$\frac{5}{36}$となる。

こういった数え上げを緊張する試験会場で正しく行うのは大変です。 したがって、『見た目にはっきりと分かる、機械的な作業でできる、後で見直しがしやすい』という点が重要です。

問題

大小2つのさいころを同時に1回投げ、大きいさいころの出た目の数を$a$、小さいさいころの出た目の数を$b$とする。

このとき、$\frac{a+1}{2b}$の値が整数となる確率を求めなさい。