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高校入試数学23

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2022年秋田県 1-(15)
解答

$108 cm^3$

解説・解き方の例

これは、とても有名な問題。知っていた人はすぐに解けるが、知らない人にはなかなか難しいでしょう。

ただ、下に示した方法の別解もあるので、その方法でもよい。(別解は後で紹介します)

図1

変な形をしている立体の体積の求め方は、だいたい

  1. 切り分けて、部分部分の体積を足す
  2. 求めやすい大きな体積から余分な部分を切り取る
  3. 上の2つの方法の組み合わせ
のどれかになる。この問題は、外の形が直方体なので、2番めの方法をとればよいと思って解き始めると 点$M$の下の部分(点$E$を含む変な立体)の体積を求めることができずに困ってしまうというところに落とし穴がある。

そこで1番目の方法を使う。この立体は面$ACGE$で左右対称になっていることを利用する。 立体を面$ACGE$で切ると、$AC$と$BD$の交点を$N$とすると、切断面は$\triangle NMG$となる。 そして立体は、$B-NMG$と$D-NMG$という同じような形(対称形)をした2つの立体(三角すい)に分かれる。

図2

ここで、立体の半分である三角すい$B-NMG$を見てみる。$\triangle NMG$を底面とみると次のような形になっていることがわかる。

図3

つまり、$BN$は$\triangle NMG$に垂直であるので、$\triangle NMG$を底面として高さ$BN$の三角すいの体積を求めればよい。

さて、$\triangle NMG$は次のようになっている。

図4

$\triangle NMG$の面積は、四角形$AEGC$から$\triangle AMN$、$\triangle MEG$、$\triangle CNG$を引けばよい。

四角形$AEGC=6\sqrt{2} \times 12 = 72\sqrt{2}$

$\triangle AMN = 3\sqrt{2} \times 6 \div 2 = 9 \sqrt{2}$

$\triangle MEG = 6\sqrt{2} \times 6 \div 2 = 18 \sqrt{2}$

$\triangle CNG = 3\sqrt{2} \times 12 \div 2 = 18 \sqrt{2}$

よって、$\triangle NMG = 72 \sqrt{2} - 9 \sqrt{2} - 18 \sqrt{2} - 18\sqrt{2}$ $= 27 \sqrt{2} $となる。

$BN= 3 \sqrt{2}$より、$B-NMG$の体積は、$27 \sqrt{2} \times 3 \sqrt{2} \div 3 = 54(cm^3)$となる。

もう一つの三角すい$D-NMG$も体積は同じなので、$54 cm^3$

よって、求める体積は$54 + 54 = 108 cm^3$

★別解★

面$MDB$と$MG$が垂直であることを利用する。 ※実際の試験場ではこの方法で解いた人が多かったでしょう。

図3(再掲)

上の図3で、計算してみると$MN^2=MG^2=NG^2$になっているので、$\angle NMG=90度$であることがわかる。

ここから、面$MDB$の面積と$MG$を掛けて3で割れば体積がでる。(計算省略)

たぶん、有名問題の解き方は難しいので、解きやすくなる設定として$\angle NMG$が直角になるように問題を作成したのでしょう。

問題

図1

図1のように、直方体$ABCD-EFGH$があり、点$M$は辺$AE$の中点である。 $AB=BC=6 cm , AE = 12 cm$のとき、四面体$BDGM$の体積を求めなさい。